――はじめに
日々の診療の中で、獣医師として
ワンちゃんのケアが出来ない飼い主様と出会った時にとても悲しいです。
例えば、
目薬がさせない → もちろん、治らない → それ以外に治療は無いのか!?
「ありません…。基本的には人と同じように、眼の病気は目薬ですから…。」
耳の掃除が出来ない → 外耳炎が治りにくい → 全身性に内服薬で一時の寛解
「基本的に耳垢が溜まってしまうことによる外耳炎が多いので、年に1~5回の再発をしてしまう子が多いです…。」
おむつ交換をしようとすると、咬もうとしてくるので、思うようなタイミングで交換してあげられない…。
「このケースでは、特にお年寄りの飼い主様には切実な問題になります。」
シャンプーを嫌がるので自宅で出来ない。→ トリミングに出しています。
「皮膚病になった時に、自宅でのこまめなシャンプーで早く治ることが多いです。」
散歩は嫌がるので、全く行ってないです。→ 実はストレスを溜めてしまっている。
「この場合は、病院も含めて新しい場所が“怖い”と感じてしまう子になりがちです。」
しつけは、仔犬の時が肝心でしょ!うちでは厳しく口を押さえたりして教えてます!←よく聞きますが・・・
→「人の手だけでは無く、人自体も信用することができない犬になってしまうきっかけを与えてます。」
など…。
このように、ワンちゃんが病気になった時や、体が不自由になってしまった時はもちろんですが、日常の管理においてさえも、犬が嫌がるため、それが出来ない飼い主様が最近特に増えたように感じます。
僕たちは、「人」と「犬」、お互いが安心して体のケアができるように信頼関係を築いて欲しい。
それが、僕たちのお伝えする“犬育て”の目的です。
吠えないようにしたい。
トイレがきちんと出来るようにしたい。
咬むなどの攻撃行動をやめさせたい。
と言うのが“犬育て”の目的ではありません。
「ワンちゃんがあなたを信頼し、あなたもワンちゃんを信頼している。」
犬を“しつける”のではなく、お互いが信頼しあえる関係。これが基本的な考え方です。
その為には、まずご家族全員が“犬”のことをよく知ってわかってあげてください。
その結果として、飼い主が困る犬の問題行動が無くなるのです!
当院では、笑顔でいっぱいの家族と仔犬が来院すると、おせっかいとはわかっていつつも、
「人の言う事を聞く可愛いぬいぐるみ」・「子供の遊び相手」・「おじいちゃんのボケ防止のため」ではない“犬”の事を理解してほしくて
時には1時間も話してしまうことがあります…。
それは、当院のスタッフ一同の想い…、?
「出会えて良かった。」
ご家族の皆様と新しい家族の一員となった“犬”がお互いにそう思えるようになって欲しいのです。
人よりも寿命が短く、きっと先に旅立ってしまうであろう家族となった“犬”。
その最後の瞬間に人間の想い「死んだらイヤー!」を一方的に突きつけるではなく、
お互いが「ありがとう。また、会おうね。」
泣きながらも、笑顔で、そう声をかけてあげられる関係になって欲しいのです!
長々と書きましたが、最後まで読んでいただきありがとうございます。
もし、これを読んで少しでもご理解いただけたらスタッフ一同とてもうれしいです。
人も犬も一緒に暮らしていて本当に「楽しい」と想っていただけるように、
少しでも多くの“犬育て”をお伝えしていきますので、楽しみにご覧ください。








